箱根駅伝のコロナ対策

私は今年も含めて箱根駅伝の応援に出かけたことはなく、毎年もっぱらテレビかネットで眺めている。今年の箱根駅伝では、沿道での応援は控えるようテロップが流れていた。

沿道に応援に行く個人の見方としては、自分は別に症状もないしたぶん感染していないから、マスクして眺めていたり拍手したりしても問題ないだろう、というところか。仮に無症状感染者が応援していても、そんなにずっと声を張り上げているわけでもないし、まあ感染させたりすることもないよね、といったところだろう。

それはその通りだろうと私も思う。純粋に感染症予防の見方からすると、多少沿道での応援があったとしても、よほど運が悪くなければ感染したりさせたりしないだろう。そんなことを言い出したら、生きて活動している限り感染の危険はあるし、他の病気や事故の可能性だってあるわけだ。

しかし、主催者から見た場合は、今回行ったように沿道での応援を控えるように「お願いする」ことは、善管注意義務の観点からも常識的な対応のように思う。

観客から駅伝応援で感染したから賠償しろと言われる可能性もあるが、その際、主催者が十分に注意喚起をしたのにもかかわらず応援に出かけたのだから感染した当人の責任である。また、もし注意喚起が不十分だったり逆に厳しすぎる禁止事項を設けたとしたら当日面倒な人たちが現れて対応に苦慮した可能性もある。今回適切に注意喚起したのに応援に来た人たちについても、これくらいだったら想定の範囲だったのではなかろうか。

箱根駅伝はお正月の国民的なイベントでもあるし、法律、医療、警察や警備などの専門家によって綿密に適切な対応がなされた結果なのだろうと思えるし、そういった観点からも安心して家で観戦することができた。

まっとうな人たちは今回わざわざ沿道に出かけていって応援したりはしない。それは純粋な感染の危険があるからではない。主催者や選手達、関係者などの心理、手間や対応に配慮した結果、自ずとでてくる結論だからである。

メディアの人たちは煽るのがお仕事だから、あれほど注意しているのに聞かない人がいるなんて信じられない!などと叫んでいる。またそれに煽られてネット上でいろいろ言っている人たちがいる。彼らは感染の危険について大袈裟に語っていたりするが、問題を取り違えており単にヒステリックになっているだけである。そのうち飽きるだろう。