コロナ後の通勤電車の乗り方とスマホの影響

朝夕の電車に乗ると、一時期よりもだいぶ乗客が増えた。

とはいえ、テレワークの人達も多いから以前ほど超満員にはならなくなってきた。満員電車は一般に不快だから歓迎すべきことではあるが、同時に電車の乗り方がわからない人が増えた。

電車に乗るコツは、乗るときに車内を眺めて自分が車内のどこに位置したいかを瞬時に判断することである。これは超満員のときもそうでもないときも同じである。

「ドア付近には立ち止まらないでください」というアナウンスがあるにもかかわらず、ドア付近で頑張っている人達が実に多い。すぐに降りるからかと思えばそうでもないから、あまり何も考えていないのだろう。言い換えると電車の中は空いているということだ。乗車の際すみませんと一声かけて電車の中に入るようにすると、部分的に空いている快適な空間に立つことができる。

またドア横が好きな人もいるようだ。以前は座席の端はバーだけだったが、今は仕切り板がついている。仕切り板を背に寄りかかって立っている人が多いようだが、混雑した電車では身体の前側に仕切り板がくる方向で立った方がいいと思う。以前はバーに背中が寄りかかるように立っているので、頭やお尻が座っている人にあたって迷惑な状態になっている人がいた。今は仕切り板があるのでましかもしれないが、寄りかかると髪やフードなどが端の人にかかってしまうこともある。身体の前面に仕切り板があるほうがべったり寄りかかることがしにくいため、端の人への迷惑度が低いと思う。また、たくさんの人がドアから乗降する際には、乗降する側が背中のほうがお互い気をつかわなくてすむ。それに移動する人が多い側でむやみにスマホを操作するとお互い危険でもある。

また、車内でつり革や手すりにつかまらない人がほとんどである。バランス感覚がいいのか多少の揺れではふらつかないようだが、電車の急停止などで大きく揺れる可能性もある。スマホ操作に支障があったりウイルスに気をつかっているのかもしれないが、それでもつり革や手すりにはしっかりつかまったほうがよい。ウイルスに関しては、今どきの電車のつり革や手すりには抗ウイルス加工が施されていることが多いし、適宜消毒をして自衛することもできる。

ちなみに超満員電車に乗った際にも、車内のどこに行きたいか目安をつけるとよい。そういう電車では自発的に移動することはできないが、行きたい方向に身体の向きを変えると後から乗ってきた人が背中を押してくれるから、周りに迷惑をかけることなく行きたい場所に無理なく行くことができる。

ところで、電車の乗り方について、以前と今とでは人の考え方が変わってが周りに気配りしなくなったのだろうか?それはそうとは言い切れない。一番大きい要因は皆がスマホを持つようになったことだろう。以前は車内では新聞や文庫本を読んでいる人が多かった。新聞や文庫本は乗り降りする際には閉じるので、周りの人達の動きや様子が目に入ってきて自然に気を配ることができた。しかし、今は乗降の際にもスマホを見ているから周りを観察する余裕はないのだ。

せめて移動の際にはスマホから目を離そう。スマホを見ないことで視野がひろがるから人生がもっと楽になるかもしれない。