バイクの二人乗り(タンデム)

夫が大型バイク乗りなので、バイクの後ろに乗ることがある。いい季節だったら風が気持ちいいなどと嘯いていられるかもしれないが、たいていは難行苦行である。高速道路を走るときは特に、運転手と同様のバイク専用の服装でないときびしい。冬は普通のウインドブレーカーなどでは中に厚着をしていてもまるで何も着ていないかのように寒い。夏も長袖長ズボンのバイクウェアのほうが薄着よりも涼しかったりする。靴もバイク用の方が快適だ。また、警視庁のポスターにもあるように、ヘルメットのあごひもをしっかりしてプロテクターをつけている。バイクウェアには内側などプロテクターがついているが、胸部プロテクターのないウェアもあるのでそのときは別につけるようにする。

バイクの後部座席は当然だが絶対に寝てはいけないし、ぼんやりしていてもいけない。バランスを崩したら自分も運転手も危険である。運転手とはインカムで道順や周りの状況を話し合うようにしている。お互いが寝ないように適度に笑いを入れながら。

乗り方は以下の通りである。いずれにしても身体に力を入れすぎると疲れてしまうから適度にしっかりと意識するくらいでよい。

1.ニーグリップをしっかり効かせる

2.両手で運転手の腰に手を回してつかまる

3.自分が荷物になりきる

1.については、膝をしっかり締めて、車体と運転手の腰をはさむようにする。

2.については、運転手の身体に強くしがみついてはいけない。運転しにくいからである。運転手のジャケットのベルト付近につかまるか、なければタンデムグリップベルトをしてもらってつかまるとよい。しがみつかず、かつ、しっかりとつかまる。加速時には後ろに身体が振られてしまうから、そのときは特に意識してしっかりとつかまるようにしている。

運転手の肩をつかむと運転の妨げになるのでよくない。また、高速道路などある程度の加速がある場合は、バイク本体のタンデムバー(グラブバー)につかまるのは加速に耐えきれないと思うので無理であろう。

左右に曲がるときには運転手と一緒の動きをするように心がけるよう書いてある本やサイトもあるが、あまり意識してそうしようとすると逆に運転しにくいらしい。だから、自分が荷物になりきって、下手に動こうとせずかかる力に逆らわない方がいいようだ。

後部座席の後ろにトップケースがあると安心である。危ないから寄りかかってはいけないが、心の支えになるだろう。

バイクの後ろに乗ることは難行苦行と言ったが、つらさの中に楽しみがある。疲れたら休もうと思っていると知らず知らずのうちに疲れがたまってしまうので、疲れたと意識する前に適度に休みをいれつつツーリングを楽しみたい。