8月の菊池と羽月に思う

8月6日(木)は神宮球場でカード最終戦だった。この日は広島5ー9ヤクルトだったが、前日、前々日と勝ったため、このカードは久しぶりの勝ち越しだった。

菊池涼介は前々日ノーヒットで、前日から定位置の2番から7番に打順を下げられた。

カード最終戦のこの日、4回表先頭の松山のソロホームランのあと會澤がフォアボールを選んだ。菊池の打順が回ってきたが、私は家の画面の前で「ホームランは狙うなよ」とつぶやいていた。最近打撃では調子が良くなかったから。しかし、菊池はライトスタンドにツーランホームランを放った。ランナーの會澤は最近頭部にデッドボールを受けたり身体をひねったりして調子が悪かった。結果的に會澤が走らないで済んでよかった。

8回裏1アウト3塁でヤクルト井野がスクイズを決めた。ほとんどフライだったがピッチャーと菊池の間に落ちた。菊池はボールを取ってそのまますかさず一塁にスライディングをして井野をアウトにした。守りで野手がスライディングをするのはあまり見ない。流石の判断だと思った。菊池のファインプレーはしょっちゅう見るが、こういう次善の策でのファインプレーもある。

今年はカープの調子が悪い。しかし、こういうときだからこそ選手の判断を尊重しながら観戦したいと思った。

ところで、試合中に選手がキャッチボールをするが、菊池がピッチャーのフォームでキャッチボールをしていたのを見て珍しいなと思っていた。この日、甲子園で阪神対巨人戦があり、11対0の大差で阪神が勝った。8回裏に阪神が11点を取ったあと、巨人の野手の増田大輝が投手を務め、話題になった。さすがに増田も事前に練習はしていたのだろうと思う。菊池もそれを誰かからか聞いていたのではないかと後で思ったが、考えすぎだろうか。

さて、菊池は翌日8月7日(金)の阪神戦(マツダ)は休みだった。代わりにセカンドの守備についたのは高卒2年目ドラフト7位の羽月だった。この羽月が大活躍。初の一軍出場、初スタメンだったが、4打数2安打、3打点、犠打、セーフティスクイズ、3塁打、ファインプレー。チームは11対6で勝利した。ベテラン松山と共に、初々しいヒーローインタビューも受けた。

スポニチによると菊池からは「困ったらベンチの俺を見ろ。守備位置を指示するから」と言われていたらしい。これまで菊池のセカンドの地位を脅かす選手はいなかったが、羽月が菊池の後を継ぐのかも知れない。菊池が故障した東出からセカンドのポジションを奪ったように。

羽月は菊池には特に守備ではまだまだ及ばないだろう。だが、これから二人ともいいプレーを見せてほしい。