映画レビュー ロシア映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版」

この映画に関しては、T34戦車が本物だとか主人公が有能だとか、そういったところが見所といわれている。T34戦車の内部が狭かったり乗務員が暑そうにしている描写にもリアリティがある。が、あえて別の視点で見てみることにする。

この映画はロシアで制作されている。

ところで、ハリウッド映画に出てくる女性は
・美女である
・感情的でしばしば取り乱す
・知的とは言いがたい
この3つを兼ね備えている場合が多いと思う。

女性がこのようなステレオタイプに描かれていることについて、女性差別に対して日本人より敏感だと思われるアメリカ人女性が憤慨しないのがつねづね不思議である。他の国の映画ではあまりこのようなことは感じない。日本の映画においてもいろいろなタイプの女性が出てくるように思う。

さて、この映画にはアンナという女性が出てくる。彼女は美女でかつ知的であり自分をどのように表現するかにおいても思慮深い。ナチスドイツ軍のイェーガー大佐の部屋に部下がやってくるシーンがあるが、そのときの彼女の行動には感嘆した。

途中から彼女はかぶっていた頭巾を取る。何気ないシーンだが彼女の思いを表現しているように思えた。欧州やイスラム圏では頭巾やスカーフは文化や宗教などを象徴することも多い。

ストーリーはオーソドックスであるが良作である。3時間超の時間を持て余すことはない。