文学が好きなら数学を学ぶとよい

私は大学で数学を学んだが、高校の頃は数学は苦手だった。高校での様々な解法の問題は複雑でかつ脈絡のないクイズのように思えたからである。高校のときはあまり勉強せず文学ばかり読んでいた。だから得意科目は現代国語。勉強しなくてもできた唯一の科目だった。

第一志望を落ちてしまったのでたまたま受かったところに入った。それが数学科だったのである。しかし、大学での数学はとても面白かった。理屈を組み立てるのが好きな私には数学は哲学のようだった。

最近、ある友人から言われた。「高校で現代国語が好きだったら大学で数学をやるのは向いているよ。高校で数学が得意な人は大学では物理学を、高校で物理が得意な人は大学では工学系に進んだらいいんじゃないかな。」なるほどと思った。

高校時代数学が苦手だった私を知っている別の友人は、私が数学科に進んだなんて信じられないというが、大学での数学は高校とは別なものなのだ。

現代国語が得意とか文学ばっかり読んでいた人の中には、私のように理屈が好きな人もいるに違いない。そういう人には大学で学ぶ、最初から理論を積み上げていく数学を是非勧めたい。きっと、新しいようでいて懐かしく、そして美しい世界が待っているだろう。