本当に重要な情報にはソースはない

今どきはネット上でなんでも情報が手に入ると思っている人が多いが、そんなことはない。ネットに載っている情報は世界中に発信された公開情報である。非公開の情報はネットには載っていない。本当に重要な情報にはネットのソースはない。学術的なことでいえば、まだ発表はしていないが独創的な素晴らしいアイディアというものもあるかもしれない。内緒のとっておきの話というものもあるし、SNSを経由しない何気ない会話の中にお宝情報が潜んでいることもある。

非公表情報はなぜ公表できないか?組織の機密情報というものがある。内部情報、いわゆる中の人の情報には、正確さについていろいろな角度から間違いはないが外部に説明ができないものがある。個人的な内容の情報は裏付けがはっきりしないものもある。ジャーナリストや警察、スパイなどは明かせない情報や情報源もあるだろう。「007 ユア・アイズ・オンリー」という映画があるが、For Your Eyes Only(略語: FYO)は秘密とか親展といった意味である。

私も内緒話をしたりされたりする。内緒話をするときは相手が信用できるかどうかを吟味する必要がある。幼い頃、信用できそうな顔をした口の軽い相手につい話をしてしまったことがある。人は見かけによらないということをそのとき痛感した。また、やはり小さい頃、ある情報を私から得たいと思っている相手がさも自分もその情報を知っているかのように装ったのにつられて、その情報を話してしまったこともある。そのときは自分の軽率さを恥じた。幼少時のたわいもない話から心理的に痛い目に遭いながら、どんな相手なら信用できそうか、どんな話ならここでしても差し支えないか、学んできたように思う。

わざわざ口止めされたわけではないが、話した相手の立場を忖度して、内緒にしている情報もある。またはソースをあえて明かさないこともある。情報のフィルターが適切な人には良質の情報が集まってくるものだ。

ネットに載っている話ならソースを確かめたり、事実関係を積み上げたりして、真実かどうかわかるかもしれない。ネットに載っていない話も同様だが、ソースはない場合もある。そのときはその人が信用できるか、信用できるバックグラウンドがあるか、話の内容に論理的整合性はあるかなどを考えて、その話の信憑性を吟味する。また、解釈がしにくい情報もある。そういった情報はできれば専門家などから直に聞いたほうがよい。いずれにしても一次情報かそれに近い情報を得ることが重要だ。

ソースのない情報はいい加減なでたらめかもしれないし、知る人ぞ知る重要情報かもしれない。ソースのある情報でも嘘が巡り巡っていることだってある。有益な情報を得られるか否かは物理的な口コミでもメディア経由でもネットの情報でも受け取る側のリテラシーによる。